会社を辞めた後は、健康保険・年金・失業保険・税金など、自分で進めるべき手続きがいくつもあります。それぞれ期限や窓口が異なるため、順番を知らないまま動くと「気づいたら14日を過ぎていた」という事態になりかねません。
この記事では、退職後にやることを一覧表で整理したうえで、手続きごとの期限・必要書類・窓口を順番に解説します。離職期間をひとやすみに充てたい方も、まずは手続きだけ先に済ませて、安心して休める状態をつくりましょう。
退職後の手続きやることリスト【一覧表】
退職後に必要な手続きは、次の転職先が決まっているかどうかで大きく変わります。退職日の翌日から新しい会社で働く場合、社会保険や税金の手続きは転職先が代行してくれるため、必要書類を提出するだけで完了です。
一方、離職期間が1日でも空く場合は、以下の手続きを自分で行う必要があります。
| 手続き | 期限 | 窓口 |
|---|---|---|
| 失業保険の受給申請 | 離職票が届き次第すぐ | ハローワーク |
| 年金の切り替え | 退職の翌日から14日以内 | 市区町村の役所 |
| 健康保険の切り替え | 退職の翌日から5〜20日以内 | 役所・健康保険組合など |
| 住民税の納付 | 納付書が届き次第 | 市区町村 |
| 確定申告 | 原則翌年2月16日〜3月15日 | 税務署 |
期限がもっとも短いのは健康保険(家族の扶養に入る場合)と年金で、放置すると医療費が全額自己負担になったり、将来の年金額が減ったりするリスクがあります。ここからは、それぞれの手続きを詳しく見ていきましょう。
退職時に会社から受け取る書類
手続きをスムーズに進めるには、退職時に受け取る書類が揃っているかの確認が欠かせません。最低限、以下の4点をチェックしてください。
- 離職票(1・2)…失業保険の申請に必須。退職後10日前後で郵送されるのが一般的
- 雇用保険被保険者証…雇用保険に加入していた証明。会社が保管している場合は返却してもらう
- 源泉徴収票…確定申告や転職先での年末調整に必要。退職後1ヶ月以内に交付される
- 健康保険資格喪失証明書…国民健康保険への切り替えに使用
離職票は「希望者のみ発行」という会社もあるため、退職前に「離職票をください」と伝えておくと安心です。届かないまま2週間以上経過したら、会社かハローワークに問い合わせましょう。
失業保険の申請【最優先で行う】
失業保険(雇用保険の基本手当)は、申請しない限り1円も受け取れません。給付までに時間がかかるため、離職票が届いたら最優先でハローワークへ行きましょう。
受給には「自己都合退職の場合、離職前2年間に雇用保険の加入期間が通算12ヶ月以上あること」などの条件があります。申請時の主な持ち物は以下のとおりです。
- 離職票1・2
- マイナンバーカード(ない場合は通知カード+運転免許証など)
- 証明写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
自己都合退職の場合、申請後に7日間の待期期間と原則1ヶ月の給付制限期間を経てから支給が始まります。給付制限は以前2ヶ月でしたが、2025年4月の制度改正で1ヶ月に短縮されました(5年以内に3回以上自己都合で離職した場合は3ヶ月)。詳しくは厚生労働省の案内で確認できます。
もらえる金額の目安や計算方法は、失業保険はいくらもらえるのかを解説した記事で詳しく紹介しています。また、受給中にアルバイトを検討している方は失業保険とバイトの関係をまとめた記事もあわせてご覧ください。
健康保険の切り替え【5〜20日以内】
退職すると会社の健康保険から抜けるため、次の3つから加入先を選びます。何もしないまま病院にかかると、医療費が全額自己負担になる恐れがあります。
国民健康保険に加入する(14日以内)
市区町村が運営する保険で、退職日の翌日から14日以内に役所で手続きします。保険料は前年の所得をもとに計算されるため、退職1年目は思ったより高くなりがちです。健康保険資格喪失証明書と本人確認書類を持参しましょう。
今までの健康保険を任意継続する(20日以内)
退職前の健康保険に2ヶ月以上加入していれば、最大2年間そのまま継続できます。手続き期限は退職日の翌日から20日以内です。在職中は会社と折半だった保険料が全額自己負担になるものの、前年の収入によっては国民健康保険より安く済むケースもあります。両方の保険料を見積もってから選ぶのがおすすめです。
家族の扶養に入る(5日以内が目安)
今後の年収見込みが130万円未満などの条件を満たせば、家族が加入する健康保険の被扶養者になれます。保険料の負担はありません。手続きは家族の勤務先を通じて行い、退職日の翌日から5日以内が目安とされています。失業保険を受給すると扶養から外れる場合があるため、加入条件は家族の健康保険組合に早めに確認してもらいましょう。
年金の切り替え【14日以内】
厚生年金から抜けた後は、退職日の翌日から14日以内に国民年金への切り替えが必要です。手続きの窓口は住民登録をしている市区町村の役所で、基礎年金番号通知書(または年金手帳)と退職日がわかる書類を持参します。
保険料の支払いが厳しいときは、免除・納付猶予制度を申請できます。未納のまま放置すると将来の年金額が減るだけでなく、万一のときの障害基礎年金を受け取れない可能性もあるため、払えない場合も必ず役所に相談してください。なお、配偶者が会社員で年収見込みが130万円未満の方は、配偶者の勤務先を通じて第3号被保険者への切り替えが可能です。
住民税と所得税の手続き
住民税は退職時期で扱いが変わる
住民税は前年の所得に対して課税されるため、退職して収入がなくなっても支払いは続きます。1〜5月に退職した場合は、5月分までの残りが最後の給与や退職金からまとめて天引きされるのが原則です。6〜12月に退職した場合は、退職月の分までは天引きされ、それ以降は自宅に届く納付書で自分で納めます。
離職中の税金の全体像は、離職中にかかる税金をまとめた記事で詳しく解説しています。
年内に再就職しなければ確定申告
年末時点でどの会社にも在籍していない場合、年末調整を受けられないため、翌年の2月16日〜3月15日に自分で確定申告を行います。在職中の給与からは所得税が多めに天引きされているケースがほとんどです。申告すると払い過ぎた分が戻ってくる場合が多いため、源泉徴収票と生命保険などの控除証明書を保管しておきましょう。
退職後の手続きに関するよくある質問
14日の期限を過ぎてしまったらどうなる?
期限を過ぎても手続き自体は受け付けてもらえます。ただし、国民健康保険は加入資格が発生した日(退職日の翌日)までさかのぼって保険料を請求されるため、遅れるほど負担が重くなります。気づいた時点ですぐ役所へ行きましょう。
離職票がなかなか届かないときは?
会社は退職日の翌日から10日以内にハローワークで発行手続きを行う決まりです。2週間を過ぎても届かないときは、まず会社の担当部署へ、対応してもらえない場合は住所地のハローワークに相談すると発行を促してもらえます。
まとめ:手続きを済ませて安心してひとやすみしよう
退職後の手続きは、失業保険の申請→年金・健康保険の切り替え(14日以内)→住民税・確定申告、という順番で進めれば漏れがありません。どれも1日あれば終わる手続きばかりなので、退職後の早い時期にまとめて片付けてしまいましょう。
手続きが終わったら、次の一歩を焦る必要はありません。離職中の生活リズムづくりの記事や失業保険をもらいながら通える職業訓練の記事も参考に、自分のペースで再スタートを準備していきましょう。


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