職業訓練とは?失業保険をもらいながら無料でスキルを学ぶ方法を解説

職業訓練 そろそろ動きたい
ひとやすみ ― 転職の空白期間に、お金とこころの両方をそっと支えるサイト

「離職中にスキルを身につけたいけれど、スクールに通うお金はない」。そんな方のための公的制度が職業訓練(ハロートレーニング)です。受講料は原則無料で、条件を満たせば失業保険をもらいながら通えます。

この記事では、職業訓練の種類と失業保険との関係、受講の条件やメリット、申し込みの流れをわかりやすく解説します。「休みながら次の準備をしたい」という方にこそ知ってほしい制度です。

職業訓練(ハロートレーニング)とは

職業訓練とは、再就職に必要な知識やスキルを原則無料(テキスト代などは自己負担)で学べる公的制度です。事務・IT・Webデザイン・介護・製造など、コースは多岐にわたります。窓口はハローワークで、受講者の状況によって次の2種類に分かれます。

公共職業訓練:失業保険を受給している人向け

公共職業訓練は、失業保険(雇用保険の基本手当)を受給している方を対象とした訓練です。訓練期間は2ヶ月から2年程度と幅広く、受講中も失業保険を受け取り続けられます。後述するとおり、給付日数の延長や給付制限の解除といった優遇措置がある点が大きな特徴です。

求職者支援訓練:失業保険をもらえない人向け

求職者支援訓練は、雇用保険の加入期間が足りない方や受給が終わった方、フリーランスを廃業した方などを対象とした訓練です。本人や世帯の収入・資産などの要件を満たせば、月額10万円の「職業訓練受講給付金」を受け取りながら受講できます。要件に当てはまらず給付金をもらえない場合でも、訓練自体は無料で受講可能です。

自分がどちらの対象になるかは、失業保険の受給資格で決まります。受給できる金額や日数を知りたい方は、失業保険はいくらもらえるのかを解説した記事を先にご覧ください。

失業保険をもらいながら受講するための4つの条件

公共職業訓練で優遇措置を受けるには、ハローワークから「受講指示」という承認をもらう必要があります。主な条件は以下の4つです。

  1. ハローワークに求職の申し込みをしている
  2. 受講開始日の時点で、失業保険の給付日数が一定以上残っている
  3. ハローワークに「訓練の受講が再就職に必要」と認められている
  4. 前回の公共職業訓練の修了から1年以上経過している

特に見落としやすいのが2つ目の残日数です。たとえば所定給付日数が90日の自己都合退職者なら、受講開始日に31日以上残っている必要があります。「給付が終わりかけてから申し込む」という使い方はできないため、訓練を検討しているなら失業保険の申請と同時に動き出しましょう。

失業保険をもらいながら職業訓練を受ける5つのメリット

1. 無料でスキルを習得できる

民間スクールなら数十万円かかる内容を、テキスト代程度の負担で学べます。簿記やMOSなどの資格取得を目指すコース、WebデザインやCADのような実技系コースまで選択肢は豊富です。

2. 給付日数が訓練修了まで延長される

本来の給付日数が訓練の途中で尽きても、修了日まで失業保険の支給が延長されます(訓練延長給付)。たとえば給付日数90日の方が6ヶ月の訓練を受ける場合、訓練が終わるまで支給が続くため、生活費の心配を抑えながら学習に集中できます。

3. 給付制限期間が解除される

自己都合退職では原則1ヶ月(2025年4月以降の離職の場合)の給付制限期間があり、その間は失業保険を受け取れません。しかし公共職業訓練を受講すると給付制限が解除され、訓練開始日以降はすぐに支給が始まります。厚生労働省の案内によると、令和7年4月以降は一定の教育訓練を受講した場合にも給付制限が解除されます。

4. 受講手当・通所手当が上乗せされる

失業保険に加えて、訓練に出席した日ごとの受講手当(日額500円・上限40日)と、通学交通費にあたる通所手当(月額上限42,500円)が支給されます。金額は大きくないものの、日々の通学費を気にせず通える点はありがたいポイントです。

5. 訓練そのものが求職活動の実績になる

失業保険を受け続けるには原則月2回以上の求職活動実績が必要ですが、訓練期間中は受講自体が実績として扱われます。4週間ごとの失業認定日にハローワークへ出向く必要もなくなり、認定手続きは訓練校経由で自動的に行われます。

申し込みから受講開始までの流れ

職業訓練は申し込めば誰でも入れるわけではなく、筆記や面接の選考があります。全体の流れは以下のとおりです。

  1. ハローワークで求職の申し込みと職業相談を行う
  2. 希望コースを選び、募集期間内に受講を申し込む
  3. 選考試験(筆記・面接)を受ける
  4. 合格後、ハローワークで手続きをして受講開始

コースはハローワークの窓口やハローワークインターネットサービスで検索できます。人気コースは倍率が高くなるため、面接では「なぜこのスキルが必要か」「修了後にどんな仕事に就きたいか」を自分の言葉で話せるように準備しておきましょう。訓練校によっては事前見学も可能です。

受講中に気をつけたい2つの注意点

出席率8割を下回ると退校になる

多くの訓練では、修了要件として訓練時間の8割以上の出席が求められます。出席率を下回って退校になると、翌日以降の失業保険も打ち切られてしまいます。体調不良や採用面接で欠席する場合は、診断書や会社の証明書を提出すれば考慮されるので、無断欠席だけは避けてください。

アルバイトは週20時間未満に抑える

訓練中のアルバイトは禁止ではないものの、週20時間以上働くと「就職した」とみなされ、失業保険を受給できなくなります。働く日数や時間の申告ルールもあるため、失業保険受給中のバイトについて解説した記事で事前に確認しておきましょう。

職業訓練に関するよくある質問

訓練の途中で内定が出たらどうなる?

速やかにハローワークと訓練校に報告します。内定が出た時点で退校になるわけではなく、入社日との兼ね合いで最後まで受講できるケースもあります。就職が決まるのは本来の目的なので、遠慮せず相談しましょう。

履歴書に職業訓練の経歴は書いていい?

記載して問題ありません。むしろ訓練校の名称・コース名・習得したスキルを書けば、離職期間に学び続けていた姿勢のアピールになります。空白期間の伝え方に不安がある方は、転職の空白期間を面接でどう説明するかの記事も参考にしてください。

まとめ:休みながら次の準備ができる心強い制度

職業訓練は、失業保険をもらいながら無料でスキルを学べるうえ、給付の延長や給付制限の解除といった優遇まで受けられる制度です。受講には給付日数の残りなどの条件があるため、興味を持ったらまずハローワークの職業相談で「どのコースなら通えるか」を聞いてみましょう。

退職直後で手続きがまだの方は、退職後の手続きやることリストの記事から順番に進めるのがおすすめです。焦らず、制度を味方につけながら次の一歩を準備していきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました