ケース⑫ 警戒していたのに引っかかった、とても手の込んだ案件
今回は、警戒していたのに引っかかってしまった、巧妙な案件を紹介します。(引っかかったらネタにしよう、という気持ちで応募しています)
後半では、このクライアントへの評価で“忖度なしの事実”を送った話も紹介します。
一見、信頼できそうな募集要項
みなさんは、こちらの案件を信頼できそうに見えますか?

私は、勧誘案件を見分ける目には自信があります。
この案件は、100%安心とまではいかなくても、かなり信頼できそうだと思って応募しました。
気になった点は、テストライティング前にオンラインで打ち合わせが必要なこと、そして執筆テーマが知らされていないことでした。
結論から言うと、勧誘でした。
「この内容で勧誘?」と驚く方も多いと思います。どのように勧誘へ進んでいったのか、その“上手すぎる自然な流れ”をご覧ください。
LINE登録
応募して、契約が成立しました。まずはZoom面談があるとのことで、日程を調整します。
必ずしも安全とは言えませんが、外部連絡申請も許可されたので、ひとまず無事にZoomができました。

Zoomは、雑談から始まりました。
たしかに募集要項にも「人柄を見る」と書いてありましたからね。
まずは、先方の自己紹介。気さくな方で、とても詳しく話してくれました。
今思えば、相手がここで詳しく話すことで、「自分も詳しく話さないと」という気にさせられていたのです。
ライティングの学習環境など、勧誘する側には欠かせない質問にも答えてしまいました。その情報が、のちの勧誘で役立つのでしょう。
Zoomの中で、LINE交換を持ちかけられました。もちろん、怪しいとは感じていました。
しかし「やり取りをスムーズにするため」という名目でLINEを勧められます。
「クラウドワークスだとメッセージを見逃す人が多いから」とも言っていました。
ちなみに、アイコンやグループ名はいかにもクラウドワークス公式を装ったもので、パッと見では信用してしまいがちです。

ひと通り進めてわかったことですが、やはりこのLINE交換は勧誘が目的だったのです。
テストライティングと、濃厚なフィードバック
テストライティングのテーマは、新NISAでした。執筆ルールやマニュアルもしっかりしていて、かなり取り組みやすい案件でした。
そして、フィードバックもZoomです。
ライター歴20年という方(本当かどうかは不明)が、添削内容をZoomで伝えてくれました。
始まる前は「適当に添削して、そのあと勧誘が始まるのかも…」と心配していました。
ところが、フィードバックは濃厚でした!
・冒頭を長くしすぎると、離脱されやすい
・読者のゴールを設定し、最初の3行で一歩踏み出せると伝える
・若者は活字離れしているので、タイトルに番号を入れるなどの工夫が必要
・金融の記事では、数字は必須。参考文献も添える
・読者がいちばん知りたい部分を、重点的に書く
テストライティング料金とはいえ、こちらが報酬をいただく側なのに、ここまで丁寧に教えてもらえたことには感謝しました。
このフィードバックだけでも、受けた価値はあったと思っています。
スクールじゃなくて「研修」
私は「なぜ、そこまで丁寧に見てくださるんですか?」と聞きました。
なんでも、GPTs(目的に合わせて作れるカスタムAI)を使い、添削用のAIを作ることで、手間をかけずに添削できているそうです。
私はGPTsに詳しくありませんが、今後の執筆にとても役立ちそうだと感じました。ライターとしては、興味のある話です。
「GPTsに興味ありますか?」と聞かれ、気になったので「はい」と答えました。
すると「本当にやる気のある人にしかしていない話なんですけど…」と、急に相手の声がヒソヒソ声に。
「じつは、私の知り合いの会社で、GPTsの研修をしているところがあるんです」
「スクールじゃなくて研修か…」と、私は少し安心しました。
研修なら、スクールのように費用を払わなくてよいのだろう、と解釈したのです。
でも、一応気になったので聞いてみました。
「これって、こちらが費用を支払う必要がありますか?」
すると、「えっ?」と聞き返されました。
なぜこの手の人は、都合の悪い質問には聞き返してくるのでしょう。「いえ、何でもないです」とこちらが引き下がるのを期待しているのでしょうか…。
「これはね、かかっちゃうんです」
ここで、私は“勧誘認定”をしました。
(とはいえ、私がGPTsに興味があると言わなければ、この話は出なかったのかもしれません)
そう、「研修=スクール」だったのです!
しかも、なかなかはっきりとした費用を言ってくれません。
逆に「ちなみに、いくらくらいなら許容範囲ですか?」と聞かれました。
こちらの許容額より安ければ、向こうはたたみかけてくるでしょう。
とりあえず、答えました。
「月5,000円までですかね」
その答えに、相手は言葉を詰まらせていました。
「それよりは上です。月1〜2万円です」
それ、毎月払ったら高額スクール並みじゃないですか!
「すみませんが、お断りします」
こちらは何も悪くありませんが、丁重にお断りしました。
勧誘は、ここで終わらない
しかし、相手も想定内のようです。
「ここの社長さんはとても親切な方で、400件くらいアフィリエイトリンクがあって、そこからクリックすると報酬が出るんです」
そうやって、費用の一部をペイできる、とのこと。
「そのアフィリエイトリンクを自分のブログに貼らせてもらえる」という意味でしょうか…?正直、よくわかりませんでした。
そう、「よくわからないけど、なんだかお得かも」と思わせるテクニックです。アフィリエイトをやったことがある人からすれば、「何を言っているんだろう」という話です。
実際は、自分のブログに貼るのではなく、こちらにセルフバックさせる、ということでした。
それなら、自分でセルフバックしたほうが良いじゃないですか!
講座に登録しない人からは、ここからセルフバックさせてお金を得よう、という魂胆でした。
セルフバックするにしても、絶対にこのリンクからはクリックしません。
Zoomのあと、LINEにもさらなる勧誘が来ました。

ゴリゴリの勧誘案件でしたね…。
少しでも期待した自分が、ちょっと情けないです。
でも、こうして記事のネタになりました。前向きにとらえていきましょう!
クライアント評価で、事実を書きました
このあと、納品の話が先方から出なかったので、こちらから切り出しました。
おそらく、勧誘できなかった相手には用がなく、納品もうやむやにしたかったのでしょう。
なんとか、数日後に無事納品されました。
最後に評価をします。このクライアントへの評価は、次のように公開しました。

感情ではなく、あった事実だけを書きました。
この評価は、クライアントのプロフィールで公開されています。
これを見れば、今後だまされる人も減るはず——そう考えて、あえて書きました。
それにしても、他のワーカーは高評価と感謝の言葉ばかり。そこまで気をつかう必要もないのに…とも感じます。
最後に、このクライアントが言っていた“最高に上手い決まり文句”を紹介します。
「費用の話が出ると、斜めに構えてしまう人が多いんです。でも、それでは稼ぐ機会が減ってしまうんですよ」
本当に、勧誘までの流れがきれいすぎて、思わずだまされそうになりました。
私も、もっといろいろな案件に出会って、みなさんに役立つ注意喚起ができるよう精進します!
まとめ|“丁寧で親切”でも、勧誘は勧誘
今回のケースは、丁寧なフィードバックや親切な対応で信頼させたうえで、「研修」という名のスクールやセルフバックへ誘導してくる、とても手の込んだ手口でした。
- 「やり取りをスムーズに」とLINE交換を持ちかける(公式を装うことも)
- 「スクール」ではなく「研修」と言い換える
- GPTsなど“役立つ話”をエサに誘導してくる
- 費用は最後までぼかし、こちらの許容額を聞いてくる
- 断ると、セルフバックなど別の儲け話に切り替える
どれだけ親切でも、クラウドワークスを通さない有料サービスへの勧誘は、利用規約(第9条9項)違反です。「丁寧だから安心」とは限らない、と覚えておきましょう。
うまい話ほど、いったん立ち止まる。それだけで、あなたの時間とお金は守れます。怪しいと感じたら、迷わずお断りしてくださいね。
あわせて読みたい関連記事です。①はやさしい入門編、②は実例をたっぷり紹介しています。


コメント